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「Largo」ブランドを体現する認定店舗

KAGAWA/MITOYO

瀬戸内の絶景と香りが溶け合う、海辺のコーヒー体験

海辺の珈琲研究所 豆豆豆(ズズズ)

UCCコーヒープロフェッショナルでは、お客さまに最高の一杯を届けるために『Largo』と共に歩んでくださる店舗に向けて、『Largo』の魅力を最大限に引き出すための知識と技術を共有する、UCC独自のバリスタ認定制度「The Great Barista of Largo ~達人のコーヒーが飲める店~」の取り組みを行っています。

今回は『Largo』を導入し、認定制度をご活用いただいた香川県三豊市の「海辺の珈琲研究所 豆豆豆」をご紹介します。

瀬戸内海を一望できる絶好のロケーションに佇む「海辺の珈琲研究所 豆豆豆」は、近年「日本のウユニ塩湖」と呼ばれ、国内外から大勢の観光客が訪れているスポット「父母ヶ浜」のすぐそばにあるカフェです。

大きな窓越しに穏やかな瀬戸内海を望む店内では、コーヒーと、コーヒーのペアリングを大切に手づくりしているスイーツとともに、日常を離れた時間旅行のようなひとときを楽しめます。

この地でコーヒーを提供しようと思い立った経緯や今後の展望、“珈琲研究所”として『Largo』に寄せる期待を、オーナーの筒井琢也さんと、店長の合田美紗さんに伺いました。

海辺の珈琲研究所 豆豆豆(ズズズ)

住所: 〒769-1404 香川県三豊市仁尾町仁尾乙172-1
TEL: 0875-82-3777
営業時間: 10:00〜18:00(L.O 17:45)
定休日: 木曜日
認定ランク: ブロンズ(2025.5時点)
URL: https://www.instagram.com/zuzuzu.coffee.lab/

農業経験ゼロからの始まり。
世界を見据えた一杯を生み出す夢

「海辺の珈琲研究所 豆豆豆」オーナーの筒井琢也さん。カフェから車で約10分ほどの距離にある「Rico農園」で、オリジナルのコーヒー栽培に情熱を注ぐ。
この地にお店を構えることになった経緯を教えてください。

筒井さん(以下敬称略) 私は21歳で家業の製造業を継ぎ、長年その仕事に打ち込んできました。ただ、8年前に娘が生まれたことをきっかけに「この仕事をそのまま継がせるのは難しいかもしれない」と思い、もうひとつの柱となる事業を模索し始めました。そこでたどり着いたのが、農業、そしてコーヒーです。

農業経験ゼロからのスタートでしたが、全国を巡って水耕や露地栽培を学ぶ中で、世界的な需要があり、ストーリーやブランディングによって価値が高まるコーヒーに可能性を感じました。「これは娘にも引き継げる事業になるかもしれない」と、挑戦を決意したんです。

オーナーの筒井琢也さんと、店長の合田美紗さん。
ホテル全体で、宿泊特化型のおもてなしを目指していると伺いました。

筒井 もちろん、最初から順風満帆ではありません。最初に譲っていただいた農地は産業廃棄物の散乱する荒れた山林で、毎週末足を運び開墾に約1年半かかりました。ようやくビニールハウスを建てた後も、何度もコーヒーの木を枯らしてしまい、正直、心が折れそうになったこともあります。

「日本でコーヒーは育たない」といわれる中、育て方を模索する日々が続きました。ようやく今、安定した栽培ができるようになり、焙煎・抽出・提供まで一貫して行える体制も整ってきたところです。

未経験から始めたコーヒー栽培、どうしてそこまでやりきれたのでしょうか?

筒井 「スペシャルティコーヒーで世界と勝負したい」という思いが強かったからです。最初に建てたビニールハウスでの栽培も、あえて栽培が難しいとされる「ティピカ種」からスタートしたのも、「どうせやるなら、世界に通用する最高のものを育てたい」という信念があったからです。

元々、カフェとしての開業は想定されていなかったそうですね。

筒井 当初は、自社栽培のコーヒー豆を日本独自の発酵技術でプロセスし、世界へ届けるフラッグシップ拠点をつくるつもりでした。地元・香川県には麹菌発酵の研究機関もあり、地域資源とコーヒーを掛け合わせることで新たな可能性があると考えたんです。

ただ、同じコーヒー豆でも焙煎や抽出次第で味わいは異なります。コーヒー豆を育てた以上「それがどんな味になるのか自分たちの手で確かめたい」という思いが募るようになりました。

そうして焙煎所や農園を整えた矢先、目の前の父母ヶ浜が観光地として注目を集め、県外からも多くの人が訪れるようになったんです。「この絶好のロケーションで、自分たちのコーヒーを味わってもらえたら喜ばれるに違いない」と確信し、2022年に「海辺の珈琲研究所 豆豆豆(ズズズ)」をオープンしました。

店名の「ズズズ」は、コーヒーをすする音が世界共通であることにちなんだものです。香りや景色、時間も一緒に味わえる、五感で楽しむ空間にしたいという想いを込めています。

店づくりのテーマは「時間旅行」と「船」。コーヒーの背景にある時間や物語を、五感から感じられる空間になるように工夫している。

瀬戸内の風と波音が誘う、
コーヒーを五感で味わえるカフェ

店長の合田美紗さん
合田さんは、カフェの立ち上げから関わられていたのでしょうか?

合田さん(以下敬称略) 私はカフェのオープン直後にアルバイトとして入りました。元々カフェ勤務の経験があり、コーヒーが大好きだったことがきっかけです。

筒井 今ではカフェの運営をほとんど彼女に任せています。私はコーヒーの栽培や発酵プロセス、施設の管理など裏方の業務を担当しており、合田さんが「味を届ける」前線に立ってくれています。観光客はもちろん、地元の方にも「ここに来ればおいしいコーヒーが飲める」と思ってもらえる場所を目指して二人三脚でやってきました。

自家栽培もされている中で、なぜあえて『Largo』のようなメーカーのコーヒー豆を取り入れているのでしょうか?

筒井 自社農園で育てているコーヒー豆は、まだ研究段階にあります。いずれは世界にも通用するコーヒーをつくりたいという思いがあり、現在は品種や発酵技術の研究を重ねている最中です。その自社の豆をお店で提供するのは、世界から評価を得られるようになってからと考えています。

そのため現在は『Largo』と、自家焙煎のシングルオリジンコーヒー豆を取り扱っています。『Largo』を導入した最大の理由は、スタッフ全員が「おいしい」と納得したから。試飲を重ね、誰が淹れても味がブレず、安定して提供できます。特に観光で混み合う繁忙期には心強い存在です。

すっきりとしたミルク感を楽しめるカフェラテも人気(¥680/税込)
『Largo』とシングルオリジンコーヒーは、それぞれにどういった役割なのでしょうか。

筒井 コーヒーに馴染みのないお客さまには「コーヒーってこんなにおいしいんだ」と感じていただくために、親しみやすい味わいの『Largo』を店舗メニューのベースにしています。そこから、より深くコーヒーの魅力を知りたい方には、シングルオリジンコーヒーや希少なコーヒー豆を使ったメニューをご用意しています。『Largo』は「コーヒーの入口」として、そして私たちにとっては「味の基準」として、非常に大切な存在なんです。

日々多くのお客さまに接する合田さんにとって、『Largo』はどのような存在ですか?

合田 カフェラテやコーヒー牛乳などのメニューでも、しっかり風味が活きると思います。どのアレンジでもバランスがよくて安心してお出しできますし、誰にでも自信をもっておすすめできる味で、当店のメニューの要ともいえる存在です。さまざまなメニューに取り入れています。

メニューを考案される際、『Largo』の風味はどのように活かされていますか?

合田 「アフォガード」のアイスにかけるエスプレッソや、通常のエスプレッソには「オーセンティックロースト」を、マシンドリップやサイフォンで提供するブレンドコーヒーには「ダークロースト」を使用するなど、風味に応じてコーヒー豆を使い分けています。それぞれの抽出方法に合わせて最適な味わいが出るように調整しています。

アレンジドリンクの開発にも力を入れていらっしゃるそうですね。

合田 エスプレッソを使ったドリンクは毎月新作を考えていて、来月は「エスプレッソトニック」を出す予定です。私が以前、他の店舗で飲んだ際に感動した味で、『Largo』のエスプレッソなら絶対に合うと感じていて、ぜひ形にしたかったんです。

今人気なのは「コーヒーレモンソーダ」。レモンスカッシュにエスプレッソを注いだ、見た目も涼やかなドリンクで、夏にぴったりです。エスプレッソの可能性を広げるメニューを、これからもどんどん提供していきたいですね。

『Largo』の芳ばしさと地元の「仁尾レモン」の酸味が絶妙な「コーヒーレモンソーダ」(¥580/税込)
コーヒーと一緒に楽しめるスイーツにも、強いこだわりを感じます。

合田 スイーツはすべて店内で手づくりしています。なかでも定番の「ガトーショコラ」は、『Largo』との相性を追求して開発した一品です。甘さ控えめ・サイズ控えめにすることで、あくまでコーヒーを引き立てる名脇役を意識しています。ワインとチーズのように、互いの個性を引き出し合う関係性を目指しています。

なめらかな口当たりでコーヒーのペアリングにもぴったりな「ガトーショコラ」(¥550/税込)

合田 また、自社農園で育てたバナナやレモン、柿といった果物を使って、季節感を取り入れたスイーツづくりにも挑戦しています。どれも「一杯のコーヒーがもっとおいしくなる」ことをテーマに、スタッフみんなで試行錯誤を重ねてきました。

コーヒーでつながる「幸せの循環」を
この場所で育みたい

スタッフの皆さんは『Largo』の認定制度でブロンズランクを取得されたそうですね。受講のきっかけは何だったのでしょうか?

合田 やはり、お客さまに提供する以上、しっかりとした知識と責任をもってコーヒーを扱いたいと思ったのが一番の理由です。私たち自身の学びにもなりますし、認定を受けることで、より意識が高まると感じました。

スタッフ全員で受講したのですが、知らなかった知識にも触れることができて、とてもよい機会になったと思います。今後も機会があれば、シルバーランクやゴールドランクといった上位資格にもチャレンジしていきたいです。

最後に、筒井さんがこのカフェや農園を通じて、今後どのような展望を描いていらっしゃるのかを教えてください。

筒井 私がこの場所で目指しているのは、「コーヒーを通じて幸せが循環する空間」をつくること。一杯のコーヒーがスタッフのやりがいとなり、それがお客さまの笑顔につながり、その空気がまたお店に返ってくる。そんな心地よい循環が自然に生まれる場所でありたいと思っています。

今後も、日本独自の発酵技術を活かした独自プロセスに挑戦し、「Ricoコーヒー」として自社豆を世界へ届けるのが夢です。その一方で、この「豆豆豆」も、コーヒーの世界観ごと味わえる特別な場所として、長く続けていきたいと考えています。

その中で『Largo』は、私たちにとって味の基準であり、大切な学びのパートナー。これからも『Largo』とともに、より豊かな時間と一杯を届けていきたいですね。

『Largo』ブランドと共に、
お店を訪れるお客さまの笑顔につながる
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