世界で活躍する料理人が
水に惚れ込んで地方に開業

私は基本、1年のうちおよそ5か月はヨーロッパ、4か月は日本、残り3か月は東南アジアなど複数の国で仕事しているのですが、コロナ禍となった2020年、日本を拠点にイースト菌の研究に力を入れようと、果物の栽培が盛んな大分県・日田(ひた)市にラボを開設しました。
ラボを設けた日田市と「CASA CUOMO CAFE UKIHA ISONOSAWA」があるうきは市は、県はまたぐものの隣り合っていて、共に農業が盛んな土地。私は野菜や果物など食材が生み出されるまでに、どれだけの苦労があるのかを次世代を担う若い料理人たちに見てほしいと常々思っていて、そういう意味でも日田市は拠点として最適でした。
その後、酒蔵「いそのさわ」さんから、もともと本邸だった築120年以上の建物を使ってレストランを開きたいという相談を受け、古いものを再活用することに共感したのがひとつのきっかけ。そしてなにより、「いそのさわ」さんの酒造りにも使われている清涼な湧水がこの土地にあったことが一番の決め手になりました。

牛や豚、ニワトリ、魚、さらには野菜や果物、穀物など、あらゆる生きているものに水は不可欠です。その食べ物の多くを構成する水がよくないと、どれだけレシピを工夫したとしても最上にはなり得ないと私は考えていて。
だとしたら、ピザやパンの生地に使う水から最適なものを選ぶ必要があります。私は、食材はもちろんのこと、水も日本各地の天然水を適材適所に使うようにしていて、同地の水を使うことはその観点からもすばらしいと感じました。

そうですね。ただ私自身がこの店に立ち続けてすべての調理に携わることはできないので、スタッフの力を借りることになります。だからこそ水も然り、食材も調理法も提供方法も、“私が何を選択するのか”を大切にしています。
料理人の技術は1年みっちり必死になって磨き続ければ、誰であっても相当上達するでしょう。ただ技術が身についても、いいものを選ぶ眼をもっていなければ、完璧な料理人とはいえません。今できる最高においしい料理、スイーツ、ドリンクをどうやってお客さまにご提供できるか。すべては“選ぶ力”にかかってくると私は考えています。

水に魅せられてこの土地を選び、使用する食材にも当然こだわりました。たとえば、ピザ生地には軽やかで香ばしく仕上がるように厳選した小麦を独自にブレンドしていますし、ハンバーガーのバンズにはスーパーフードとして注目を集める「スペルト小麦」を配合するなどしています。
「いそのさわ」さんの日本酒を用いたパンナコッタ、うきは市産のあまおうを使ったパフェ、日田梨のパイとジェラートなど、この土地ならではのメニューもご用意しています。また、どれだけフードロスを減らせるかに重きを置くことも未来のために掲げた大切なテーマです。たとえばピザは一度焼いたものを最新の技術で急速冷凍し、特別なオーブンで一気に熱を入れてご提供します。
フレッシュな素材を冷凍すると味わいはどうしても落ちてしまいますが、調理済みの料理を急速冷凍すれば、つくりたての味わいをキープできる。これもやはり生産者さんが丹精込めて育てた食材を無駄にしないための工夫です。
世界に誇れるメイド・イン・ジャパンのコーヒー

もともと私がフィリピンやインドネシアで展開してきた「Salvatore Cuomo Café」で『Largo』を使っていて「CASA CUOMO CAFE UKIHA ISONOSAWA」でも採用しました。選んだ理由は明確で、万人がおいしいと感じるコーヒーの条件を満たしているからです。
コーヒーは世界中で親しまれている飲み物ですが、『Largo』は味わいのバランスに優れ、香りもよく、これぞメイド・イン・ジャパン クオリティと、誰にでも胸を張ってご提供できる味。当店はカフェスタイルですから一日中どんなシーンでも飲めて、ペアリングするフードやスイーツを選ばない味わいなのもセレクトした理由のひとつです。

『Largo』は認定制度を設けているところがいいですね。たとえばコーヒーに対する知識がゼロのスタッフを採用したとしても、認定フローによってコーヒーやエスプレッソの基礎知識からしっかり学べるのは大変助かっています。
私の経験談でもありますし、よく友人・知人から耳にするのが、料理はおいしくて雰囲気も最高のレストランなのに、食後に出てきたコーヒーが残念…というケース。これはすごくもったいないことで、当店では絶対にお客さまにそのような思いはさせたくありません。
『Largo』ならコーヒー豆の品質、鮮度がよいのはもちろん、認定制度を通して淹れるところまでサポートしてくれる。技術や知識を身につけられる環境が整っているのは非常に心強いと感じています。

保管スペース、使用後のパッケージの廃棄のしやすさを考えBAG MODELを選びました。炒りたての芳ばしい香りがしっかり感じられる『Largo』を、日々実用的に使えるという点でもBAG MODELには非常に満足しています。
日本が世界に誇る強み、
独自性をもっと広めていく

私は今までイタリアの食文化を日本をはじめ海外に発信し続けてきましたが、日田市にラボを開設したのを機に、これからは日本が世界に誇れるものを外に向けて発信していきたいと考えています。そのときにやっぱりいいものを選ぶ眼が絶対に必要になる。
コーヒーも同じで、よい原料を使っているのはあたりまえ、そこにおいしさを持続させる技術だったり、プロダクトならではの強み、品質を保証する根拠が必要になってきます。
『Largo』というコーヒーは独自性がありますし、技術が生まれた物語も伝えることができます。

当店はカフェスタイルなので、『Largo』をもっと活用していきたいと考えています。今もジェラートにエスプレッソをかけるアッフォガードや、イタリアの定番デザートのティラミスに使っていますが、まだまだできることはあるはず。
当店には専門のバリスタがいないため、アイデアがどんどん出てきても、それを形にできるかと言われるとなかなかそうはいきません。
『Largo』は、活用に関するアドバイスも都度いただけます。餅は餅屋の考えで、コーヒーもまたコーヒーのプロフェッショナルの力を借りながら、より魅力的なメニューをつくっていける、そんな信頼関係を築けるのもまた『Largo』を選んでよかった点だと感じています。