『Largo』の世界観を伝える場が、
ブランドの説得力をあげる
『Largo』の価値を体現する空間を目指したスペースです。お客さまに会議室で『Largo』の世界観を語るよりも、ここで世界観を体感していただいたほうが説得力があるし、商談の深度はあがるはずです。実際に香りやコーヒー提供までのディティールを見ながら「自分のお店だったらどうなるのか」も考えていただける場になっています。
オーナーとしての体験、バリスタとしての体験、エンドユーザーとしての体験、そしてUCC コーヒープロフェッショナル社員としての体験、いろんなステークホルダーに向けた価値を体感いただけると思います。製品の機能を打ち出す従来のショールームとは別の役割で、だからこそ「Largo Experience Room」という名前にしています。
『Largo』のリブランディングをしている最中に、焙煎室だったこのスペースがたまたま空くという話が出ました。当時、UCCグループの製品全体を紹介する「UCCグループショールーム」はありましたが、プロダクト単位でご提案をする場がないこともあり、業務用製品のスペースとして使えないか?という話に発展しました。
『Largo』は、UCCが「紡いできた歴史の最高峰」とするLUXURYを、唯一名乗れるブランドです。そんな『Largo』を体現する空間が、会社の中にあることはUCC業務用ブランド全体にも好影響があるはずだと考え、『Largo』のスペースにするアイデアを提案したことが始まりです。
『Largo』が体験の場を持てたのはとても運がよく、ブランディングの強い武器になると感じました。商談スペースでもあり、VIPルーム的な位置づけでもあるこの部屋は、うまくいけばグループ全体のブランディングにも寄与できる空間になるはずです。
茶の間にヒントを得た空間と、
細やかな体験プログラム
『Largo』はもともと、音楽用語の「ゆったりと」「悠々と奏でる」という意味を持つ言葉です。しかし、使える空間はそれに反して狭いスペースで、部屋に入った瞬間ジレンマを感じました。
その時に発想したのが「侘び寂び」です。茶の間は宇宙と捉える人もいますし、狭い空間を広く感じさせる工夫も散りばめられています。『Largo』はJapan Qualityのエスプレッソとして誕生した背景もあるので、日本らしい感性は要素のひとつとして持ち込んでもよいなと感じていました。
お客さまが座る椅子とテーブルは茶の間のように低く設計し、コーヒーを飲んでいただく時の手元にも集中できるようにしています。ディスプレイも掛け軸からインスピレーションを受けたものです。天井までディスプレイを伸ばしたことによって目線が上にいくので、空間を広く感じていただける効果もあります。
まさに、障子のようなバランス感を目指しました。カーテンがかかっている面は、UCCグループのコーヒー製品やマシンをお見せする「UCCグループショールーム」と「Largo Experience Room」を仕切るガラス窓になっています。そこに少し透けるカーテンを設置することで、視線としては遮るけれど空気感としては遮らない形にしています。
完全に遮断すると圧迫感が出てしまいますし、低い座面で天井を高く感じられるようにしたため、より壁の存在感が目立ちます。シアーカーテンの窓を隠して視界を遮らないことで、「UCCグループショールーム」から見た時も「あれは何?」と思ってもらいやすいはずです。
ていねいに演出を創り上げていけば、掛け軸を見たり、外の光を感じたりと「悠々と奏でる」ような『Largo』の雰囲気も伝えられます。逆に茶の間で手元のお抹茶に集中するように、細かなところにも自然と目が向く設えにもなっています。これはむしろ広い空間ではできないアプローチとして落とし込んでいきました。
まずお部屋に入っていただいたら、『Largo』の説明から始まります。UCC業務用ブランドの最高峰という位置づけであることや『Largo』の理念、製法の解説などです。そのあと、BOTTLE MODELを開栓します。これは、お客さまにワクワクしていただくためのパフォーマンス、そして『Largo』の香りへのこだわりを体感いただける瞬間でもあります。
その後エスプレッソ、ラテ、アレンジメニューの試飲です。実際にコーヒマシンに触れていただくこともできます。コーヒーの抽出に慣れていらっしゃらないレストラン業態のお客さまも多いので、UCC独自のバリスタ認定制度のご案内もあわせてすることで、『Largo』がコーヒーにまつわるトータルサポートをしていくブランドであることもお伝えしていきます。
プログラムは、お客さまに感動していただけるかどうかの決め手となる重要なものです。『Largo』チームや私に加え、アカデミーのバリスタ、セールスの外部パートナーさんも入って設計していきました。
プログラム全体の流れに加えて、細かいところまでこだわっています。提供のしかたも、専用トレーを用意し集中すべきテリトリーを決めることで「今はこれを飲むんだ」と強く認識していただけるような方法を採用しました。提供の際には横にドリンクメニューの説明カードを置いたり、お砂糖の置き方、スプーンひとつとっても、ただ置くだけではない、コーヒーに集中していただける設えにしています。
この空間があることで、『Largo』に価値を感じていただける機会も出てきました。「アルポルトカフェ 神戸店」さまは、「Largo Experience Room」に足を運び『Largo』の世界観と味わいを体感したことで導入を決定いただいています。自分たちの世界観や理念を大切にされるお店ほど、『Largo』の世界観や思いを体感いただけるこの空間に感動していただける手応えを感じています。
小さなこだわりを積み重ねた先に、
ブランドの未来はある
こだわりを持ってお店をされている方たちに『Largo』を評価いただきたいなら、私たちも一つひとつのクオリティをもっとあげていくべきだと考えています。たとえば、クレマの厚みをよりわかりやすくお伝えする専用トレーも、新たに導入しました。エスプレッソ用のショットグラスをふたつ並べて横から見ていただくことで、左右でクレマの厚みの違いを見ていただけます。
クレマは、エスプレッソのクオリティを大きく左右するものです。上質なクレマはコーヒーの風味や香りを閉じ込め、エスプレッソの口当たりをまろやかにします。『Largo』はフレッシュアロマ製法により厚みのあるしっかりとしたクレマができるので、そこに注目いただくことで魅力をわかりやすくお伝えできるのではと考えています。
こういった改善をふくめ、提案や体験の質をあげる努力は「これをやればすべて解決する」ものではありません。コツコツと積み重ねていった先に結果があるもので、中長期でやっていくことで「いいブランドだね」と定着してくるはずだと信じています。