付加価値のあるドリンク提供の
意味と、コーヒーアレンジ
石谷バリスタは、イタリア・ミラノで開催されたワールド・バリスタ・チャンピオンシップの視察から帰国したばかり。「イタリアは、トレンドよりも伝統を大事にしながら新しい部分を取り入れるスタイルが主流です。そんなイタリアでも、スペシャルティコーヒーの市場は徐々に増えてきている様子でした」と、イタリアのコーヒーシーンを語ります。
「一方、日本は自分で焙煎したり、仕入れたコーヒー豆に付加価値をつけてお客さまに提供するお店が増えていますね。正直、私たちの業界はドリンクを提供するだけではビジネスとしては厳しい時代に入ってきています。今日紹介する『Largo』は付加価値がしっかりあるコーヒーなので、そういった意味でお客さまに届きやすいコーヒーだと個人的には思っています」
そんな言葉と共に始まったデモンストレーションで、石谷バリスタが紹介されるのは『Largo』の「オーセンティックロースト」を使ったアレンジドリンク「Larcolada Fizz(ラルコラーダフィズ)」です。「オーセンティックロースト」の心地よい苦みと酸味、ローストの香りを活かしてパイナップルジュースと組み合わせることで、ベイクドパイナップルのような風味を味わえるノンアルコールドリンクとなっています。
「『Largo』はBOTTLEによるエイジング管理によって常に同じ品質を提供できるため、レシピの構築がしやすくアレンジドリンクづくりにも適しています」
ネーミングの由来は、カクテルの「ピニャコラーダ」から。名前のつけ方にもコツがあり、大切なのはお客さまが興味を持つこと、そして味わいをイメージしやすいネーミングにすること、との説明がありました。それによってメニューに載せた際にお客さまがスタッフに訪ねたり、注文につながったりするそうです。
トロピカルなコーヒーアレンジ
「Larcolada Fizz」の実演
ドリンクの説明の後は、石谷バリスタによる実演へ。
まずはコーヒー豆の計量です。「現在のコーヒー業界では、コーヒー豆を正確に計量することがあたりまえになっています。19gを使って、34〜36gの抽出量を目指します」という説明と共に、ていねいにコーヒーの粉を計量してエスプレッソを抽出していきます。測るという行為が、常に同じクオリティのコーヒーをお届けするための基本となるそう。
続いて、氷を入れたグラスに次の材料を加えていきます。
次に、別のシェイカーに次の材料を加えていきます。
ココナッツウォーターは容器ごと24時間以上凍らせた後に、50%ほど解凍したものを使います。ココナッツウォーターの甘い部分だけを濃縮した液体を取り出し加えることで、甘みと質感が向上します。
エスプレッソ、濃縮したココナッツウォーター、メープルウォーターに氷を加えてしっかりとシェークし、先ほどつくったベースの上にゆっくりと注ぐと美しい二層のドリンクが完成します。
「コーヒーは茶色や黒い液体なので、こうして層をつくることで、シェークすることでできた泡も含め見た目から楽しいドリンクに仕上げています。またバナナシロップの代わりに他のトロピカルフルーツやフルーツ系シロップを使ったり、炭酸水の一部をトニックウォーターに変えて甘みを調整することも可能です。お酒としてアレンジしたい場合は、ホワイトラムを加えていただいても相性がいいと思います。」
そんな石谷バリスタの解説と共に、参加者のテーブル席に配られた「Larcolada Fizz」。一口含むと、上層のエスプレッソから心地よいロースト感が広がり、続いてトロピカルフルーツの爽やかで甘やかな風味、ココナッツのまろやかさ、メープルの香り、ジンジャーシロップのアクセントが複雑に絡み合います。
ふたつの層をかき混ぜながら飲み進めていくと、「オーセンティックロースト」のやさしい味わいと酸味がフルーツと自然に溶け合うようにマッチし、夢中になって飲んでしまうおいしさでした。
「グラスを傾けるたびに層が混ざり、味の変化を楽しみながら最後までお飲みいただけます」という石谷バリスタの言葉どおり、一杯のドリンクの中に、いくつもの味わいのストーリーが詰まっていました。
石谷バリスタが語る、
アレンジドリンクづくりの極意
続いて、アレンジドリンクづくりのコツについても教えていただきました。石谷バリスタが提示したステップは以下の3つです。
[ ステップ1:テーマ・素材を決める ]
イベントやシーズン、使いたい食材など、1〜2つの縛りを設けることからアレンジづくりは始まります。たとえば、クリスマスシーズンのドリンクならチョコレートを使ったり、緑の素材を採り入れたり。コーヒーの特長から紐解くことも大切だと石谷バリスタは語ります。こうした考え方に沿って設定した今回のドリンクテーマは「トロピカル」と「トレンド」でした。
[ ステップ2:イメージを膨らませる ]
テーマが決まったら、香りから味わいをイメージし、組み合わせを考えます。「Larcolada Fizz」の場合、トロピカルなイメージ、味わいを軸に組み立てつつ、色味のトーンや濃度を合わせていったそうです。
[ ステップ3:最終調整 ]
メイン、フレーバー、アクセントのバランスを整えます。今回は、メインの味わいはコーヒー、フレーバーはトロピカル、アクセントはジンジャーに設定。そして最後に甘みと酸味のバランスをチェックして調整します。このバランスを整えることで、飲みづらさをなくし、最後までおいしく飲み切れるドリンクに仕上げることができます。
参加者のみなさまは、石谷バリスタの言葉に頷きながら、一杯の味わいを確かめる姿や、熱心にメモを取る姿も見受けられました。「お店でご活用いただけるヒントもたくさんあったのではないでしょうか。新たなメニュー開発を参考にしていただければ幸いです」という司会の言葉と共にデモンストレーションは締めくくられました。
石谷バリスタのデモンストレーションを通じて、『Largo』の技術と品質の高さ、そしてそれを活かしたアレンジの可能性を体験することができました。このデモンストレーションを参考に、ぜひ『Largo』を使ったオリジナルドリンクづくりにチャレンジしてみてください。